役員報酬は何も会社員だけの特権ではありません。個人事業主がマイクロ法人を立ち上げることで役員報酬を得ることも可能です。そんなマイクロ法人とは一体どういうものなのでしょうか。
マイクロ法人とは?
マイクロ法人とは簡単に言うと、個人で運営する会社のことです。通常の法人は複数の従業員を雇って成り立っていますが、マイクロ法人は一人で会社を運営していきます。中には自分の妻や兄弟といった身内を従業員として雇うケースもありますが、基本的にはひとり社長として会社を運営します。このマイクロ法人を設立することで、だれでも役員報酬を得ることができるのです。
マイクロ法人で役員報酬を得ても税金がかからない場合もある
マイクロ法人を設立する目的のひとつとして、節税があります。基本的にマイクロ法人で役員報酬を得ると普通の会社のように、税金(所得税・住民税)がかかりますが、実は報酬額によっては無税になる場合もあるのです。
無税になる役員報酬の額とは?
基本的に税金は個人事業主としての所得と役員報酬に課税されますが、できれば税金は少なく収めたいというのが本音でしょう。
では、役員報酬に対しての税金を無税にできる金額はいくらなのでしょうか。
所得税と住民税の控除額から計算する
所得税と住民税にはそれぞれ控除額があります。控除には「基礎控除」と「給与所得控除」があり、これはどんな人にも適用します。
▼所得税と住民税の控除額▼
所得税 | 住民税 |
基礎控除:48万円 | 基礎控除:43万円(東京都) |
給与所得控除:55万円 | 給与所得控除:55万円 |
合計:103万円 | 合計:98万円 |
役員報酬が無税になるには上記のように103万円と98万円(東京都の場合)が基準になりますが、マイクロ法人の場合、個人事業主としての給与所得があるので、これと一緒に計算しなければいけません。
給与所得は次のように計算します。
・給与所得=給与収入(役員報酬)-55万円(給与所得控除額)
この計算式から、役員報酬を無税にするには、給与所得控除55万円以内にする必要があり、
そこから計算すると、役員報酬を月額45000円(年額54万円)に設定すれば控除額内に収まり、無税になります。
個人事業主とマイクロ法人を上手く併用して、節税効果を最大限に活用しましょう。